ドイツ語に興味を持ったきっかけ

ハイデルベルク「哲学者の道」への入口

 私は25才になるまで、ドイツ語に触れたことはまったくありませんでした。英語すらも、学校で習った以外には英会話を習ったりすることもなく、外国語学には縁のない生活を送っていました。

 1994年の冬のことでした。ある日、会社でシティリビングを友達と見ていたら、ヨーロッパ旅行ツアーの案内がありました。「2月8日、10日、12日出発 6泊8日 118,000円」という破格のツアーでした。滞在する都市とホテルが決まっていて、少し観光がある以外はほとんど自由行動というヨーロッパツアーにしては珍しい企画でした。その案内を見た瞬間、「行きたいね!」と思わず声を揃えて言ってしまいました。ところが出発まであと2週間弱、私は一人暮しをしていたこともあり、貯金らしい貯金はまったくありませんでした。友達も、「今はそんなお金出せない。」と言って、結局そのツアーは諦めました。

 でも、来年の冬の同じ時期ならきっと同じくらいの値段で行けるよ、という話になり、気の早い私達はこの時期の旅行パンフレットを集め、計画をたて始めました。どうせ行くなら10泊はしたいよね、お決まりの観光コースは嫌だよね、などと勝手なことを言い合いました。この時に気がついたことは、『ヨーロッパのツアーはコースが決まっていて自由時間はほとんどない』ということと、『ローマ、ロンドン、パリのどれか(時には3つとも)がコースに含まれている』ということです。たまたま私達は趣味が似ていました。これら3都市には全く興味がなく、買い物もどうでもいい、それよりもその都市になじんで、朝焼たてのパンを買いに行ったりしてその街の住民みたいになりたいよね、だったらそれらをまわっていたら行きたい所へ行けないじゃん、ということで、自由にプランの組めるヤツにしよう!と決めました。

 それじゃぁ、どこにする?イタリアは絶対行きたいよね、スイスも行ってみたい、ドイツも、オーストリアも、フランスも、と、行きたい所をあげるとキリがありませんでした。じゃぁ絞って3都市にしよう、ということになり、イタリア、ドイツ、オーストリアに決めました。もっと詳しく調べていくと、これらの都市を移動するだけで半日かかってしまうことも判明しました。そうすると丸一日無駄にしてしまう、やっぱり2都市にしよう、ということでイタリアとドイツに決めました。

 あれ?このフリープランって、飛行機とホテルを手配してくれるだけだって。飛行機のチェックインも、通関手続きも、ホテルのチェックインも全部自分でやらなきゃいけないんだって。え〜!? 他のは? え、それも? そっちも? 何それ〜!? フリープランはツアーとたいして変わらない値段を取る割には不親切!!それが印象に残りました。

 それでも私達は、普通のツアーで行くのは絶対にいやだ、と思い、私は「じゃぁ、私はドイツ語を勉強する!!」と宣言しました。友達は「私は日本語で通すワ。」と、英語も勉強しないと決めました。それが、私がドイツ語に触れてみようと思ったきっかけであり、ドイツへ行きたかったことが数ヵ月後に今の主人と付き合い始めるきっかけになるとは、この時はまったく思いもしませんでした。