ホームシック

日曜日の旧市街
まみちゃんと席もずっと隣に座っていたので、すっかり仲良くなって、休み時間も一緒にいるようになりました。休み時間は、一階のジュースの自動販売機のある喫煙所(?)に行って、ジュースを飲みながら一服するのが日課になっていました。もちろん、タバコを吸わない人も、先生も、この場所に集まって、みんなでしゃべっています。私達(日本人)は、バッグなど教室に置いたままここへ来ますが、エスティバリス(スペイン人)は、必ずバックを持ってここに来ていました。
ある日から、突然、同じクラスのかずみちゃんが来なくなりました。かずみちゃんは、私やまみちゃんとは離れて端の方に座っていたおとなしそうな大学生の女の子です。はじめは風邪でもひいたのかと思っていましたが、2日たち、3日たち、4日目になってようやく、ホームステイ先のホストファミリーも、これはおかしいと思ったらしく、かずみちゃんに聞いてみると、「学校へ行きたくない。家に帰りたい。」と言っていると、学校に電話がかかってきたのでした。私とまみちゃんは、マリアネッラからそう言われ、休み時間に彼女に電話して、「話が聞きたいから、今日、学校の終わる時間に学校まで来て欲しい」と電話しました。
学校が終わると、かずみちゃんは、ちゃんと学校へ来ていました。私とまみちゃんときよちゃん3人で、カフェへ行って話を聞くことにしました。
なぜ、学校へ来なくなったのか聞くと、この学校へ来たのはいいけど、一番下のクラスなのに、みんなドイツ語ができるし、自分はついていけない、みんな仲良さそうにしてるけど、自分は入れない、日本に帰りたい、そう思うと、朝、起きると頭が痛くなるそうです。
かずみちゃんは、大学1年生で、ベルリンの日本法人の大学に行っているそうです。そこでは日本人ばかりなので、日本と変わらない生活をしていると言っていました。日本で受検して、日本にあるキャンパスへ通うのかと思ったら、入学してみて初めて、最初の2年間はドイツキャンパスで学ぶことが分かったそうです。でも、大学の講義はドイツ語じゃないの?と聞くと、そうだと言います。その割には、ドイツ語がまったくできませんでした。日本人は、たとえ、しゃべりができなくても、文法は得意です。だから、先生の言ったことさえ理解できれば、私達のクラスでは、授業は楽なのです。でも、彼女は、私達が日本語で言っても、まったくちんぷんかんぷんな答えをする子でした。ドイツ語が全然分からないので、夏休みを利用して、このLessing-Kollegへ来たそうです。私には、そんな彼女がイマイチ理解できませんでした。
でも、私達は日本人で言葉が通じるんだから、何か困ったこととか、相談したいことがあったら、いつでも聞いてあげるよ、と言って、せっかくベルリンからマールブルクまで来たんだから、学校にはおいでよ、と言うと、少し楽になったらしく、明日からは学校へ行くと約束してくれました。
私もまみちゃんも、そんなことにはまったく気づいていなかったので、びっくりでした。