寮の新しい住人

ライン川
7月31日、月曜日から新しいコースが始まります。7月にコースに参加していた人は次のクラスが決まっているので、月曜日のクラス分けテストを受ける必要がありません。だから、私達はコースの始まりの日は休みでした。隣の部屋のきみちゃんも、8月も残ることになっています。彼女は、今月も私達にたくさんの話題を提供してくれそうです。
30日の日曜日、私達の寮の同じ階にイギリスの男性が入ることになり、フラウ・ハインがその男性を連れてきて紹介してくれました。彼は名前がジョンといい、手を差し出して「ジョンと呼んでくれ。」と言って握手しました。年齢はもう60歳を超していて、ここ数年、毎年夏になるとLessing-Kollegにドイツ語の勉強にくるそうです。彼は私達の隣の部屋に入りました。
さすがイギリス人、ちゃんとティーメーカー(?)とビスケットを持ってきていて、午後になるとアフタヌーンティーを楽しんでいました。
31日になると、私達の階の残りの一部屋にもう一人の住人、イタリア人女性が来ました。やはり、フラウ・ハインがその女性を連れてきました。彼女は6月に、私達が1カ月の旅行に出ている間に私達の部屋に住んでいた人で、2週間ほどLessing-Kollegに通っていたそうです。彼女はとても元気で明るい人で、名前はフェデリカ、年は私達より一つか二つ上でした。彼女はきみちゃんの向かいの部屋に入ることになりました。
1階は全員入れ替わったので、新しく4人入ってきました。一人、日本人の女の子が入ってきた、という情報を得て、きよちゃんが見に行きましたが、買い物に出てしまっていなかったようです。きよちゃんが、私と今日も寮に遊びに来ていたまみちゃんに「イタリア人が二人おった。」と報告してくれてちょっとすると、そのイタリア人の男性二人が上に挨拶に来ました。一人は24歳で背がちょっと低めのマルコで、明るくて典型的なイタリア人、という感じでした。もう一人が私達と同じ年で背が高いマッシモで、彼はまじめそうな人でした。
彼らが戻って、また少しして上に上がってきました。「冷蔵庫から水が出てるんだけど、どうしたらいいんだろうか?」ということでした。一緒に下に降りてみると、冷蔵庫の周りの床がびちょびちょに濡れていました。冷蔵庫を開けて見たりしても原因が分からないので、学校に電話しよう、ということになりました。そこにもう一人の住人、ギリシア人の17歳の女の子、マリエラがいて、「私のお父さんの携帯電話を使ったら?」と言って、一緒に来ていたお父さんの携帯電話を貸してくれました。はじめ、きよちゃんが電話してフラウ・シャワーに説明していましたが、今日は修理は無理だと言われたら、マルコが「自分が話す!」と携帯電話を奪い取って、すぐに直してくれ、と、電話なのに大げさな手振りをして訴えていました。
私達の階は年齢層が高く、若い子はきみちゃんだけ、それでも日本人だから礼儀正しいし、フェデリカの明るさもちょうどいい明るさで、私達は平和な寮生活を営んでいました。1階はといえば、マリエラは遊びたい盛りなのか、学校の仲のいい子を寮に連れてきては騒ぎまくり、そこにマルコも加わり、日本人の女の子、大学を卒業したばかりのようこちゃんまで加わり、騒ぎたい放題で、二階に住む大家から文句が出るほどでした。きよちゃんとマッシモとマルコは同じクラスだったのですが、マルコはちょっと変わったコで、女の子の話しかしません。そのせいか、1週間もたたないうちに、マッシモはきよちゃんととても仲良くなり、マルコとぶつかることが多くなってきました。マッシモは学校に、「マルコと違う階にしてくれ!」と訴えると、その訴えが通りました。マッシモは無事に3階の私達の階に移ることが決まったのですが、被害を被ったのはジョンでした。ジョンは何も知らずに、1階に移ることをOKしてしまったのです。とても気の毒でしたが、マッシモが上に来るということで、マッシモときよちゃんは大喜びでした。